近江牛の歴史

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国内最古のブランド牛

日本には「三大和牛」と呼ばれるブランド牛が存在します。それが「近江牛」「神戸牛」「松阪牛」です。 これらの中でも、最も長い歴史を持つのが「近江牛」で、その歴史は400年以上にわたります。 一方、「神戸牛」の歴史は約130年、「松阪牛」は約100年とされています。近江牛がこれほどまでに長い歴史を持つ背景には、畜産農家の技術と経験、そして滋賀県の豊かな自然環境が大きく関わっています。こうした要素が相まって、近江牛はその品質の高さで国内外から高い評価を受け続けています。これだけの歴史と伝統を持つ近江牛だからこそ、農家はその名を守り続けることに並々ならぬ情熱を注いでいるのです。
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江戸時代は薬用

徳川御三家への献上品

日本最古のブランド和牛である近江牛。その歴史は1687年に遡ります。当時、近江国(現在の滋賀県)彦根藩で味噌漬けにされた彦根牛が、「反本丸(へんぽんがん)」という名の養生薬として商品化されました。 この牛肉は「近江牛」とは呼ばれていませんでしたが、彦根藩主である井伊家から江戸の将軍や徳川御三家に献上され、全国にその名を広めたとされています。
江戸時代は仏教の影響で肉食がタブーとされており、長らく肉食が禁止されていました。しかし、そのような時代背景の中でも、近江牛は薬として形を変えて人々に届けられていたのです。「反本丸」が開発された背景には、彦根藩で武具や馬具に使用する牛皮の調達過程で発生する牛肉を何とかして食べられないかという工夫がありました。これが現在、滋賀県の郷土料理として知られる近江牛の味噌漬けの始まりです。
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近江牛の定義

豊かな自然環境と水に恵まれた滋賀県内で最も長く飼育された黒毛和牛

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このような理想的な環境の中で、近江牛はストレスを感じることなく、健康的に育てられています。 その結果、肉質がきめ細かく、柔らかで風味豊かな近江牛が生まれます。 豊かな自然と丁寧な飼育環境が、近江牛の品質の高さを支えているのです。
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全国一の品質

鈴鹿山脈から供給される良質な水と湖東平野の肥沃な土壌という最適な環境に恵まれた東近江市内で育てられる近江牛は、栄養バランスに配慮された飼料で飼育されています。この環境と飼育方法により、近江牛は高い品質を誇り、品評会(近畿東海北陸連合肉牛共進会)で最優秀賞を受賞するなど、全国でもトップクラスの評価を受けています。