お肉の部位図鑑

Illustrated book

牛肉の魅力を知る!
牛肉の部位と美味しい食べ方

牛肉はその豊かな風味と多様な食べ方で多くの人々に愛されています。しかし、牛肉の部位によって味や食感、適した調理法が異なることをご存知でしょうか?このページでは、牛肉の各部位の特徴と、それぞれの美味しい食べ方について詳しく解説します。

牛肉の部位

サーロイン

サーロインは背中から腰にかけての部位で、上質でキメの細かい霜降りが特徴です。ステーキやしゃぶしゃぶに最適で、ステーキの代名詞ともいえる部位です。腰の上に位置し、ヒレに次いで柔らかく、適度なサシが入っておりジューシーさが感じられます。運動量が少ないため筋肉が少なく、非常に柔らかい部位です。「サーロインステーキ」として人気が高く、1cm以上の厚切りで楽しむのがおすすめです。16世紀のイギリスでは、ヘンリー8世がそのおいしさに「サー」の称号を与えたという俗説もあります。

おいしい食べ方

ヒレ

ヒレは骨盤の内側に位置する細長い筋肉の部位で、一頭から約3%しか取れない希少部位です。肉の中で最も柔らかく、脂肪が少なくあっさりしているため、脂が苦手な方におすすめです。サーロインの内側にある高級部位で、脂肪や筋がほとんどなく、非常に柔らかくあっさりとした味わいが特徴です。油で焼いたり揚げたりする料理に向いており、「シャトーブリアン」と呼ばれるステーキはヒレの最も太い部分を使用します。

おいしい食べ方

肩ロース

肩ロースは、肩から腰にかけての背肉の部分で、クラシタやチャックアイとも呼ばれます。キメが細かく程よい霜降りが特徴で、薄切りにして食べることが多いです。芯の部分には柔らかく、牛の中で最も霜降りが美しい「ザブトン」があります。リブロースと連結しており、肉質と脂質が良く、牛肉らしい味わいが楽しめます。ロース全体の先端に位置し、柔らかく適度な脂肪があるため、厚切りから薄切りまで幅広い料理に利用できます。薄切り肉はすき焼きやしゃぶしゃぶに最適です。

おいしい食べ方

内モモ

内モモは、後ろ足の付け根部分に位置する赤身肉で、非常に脂肪が少なく柔らかいのが特徴です。筋肉質で脂身が少ないため、脂を避けたい方に最適です。大きなかたまりや厚い切り身の料理に向いており、ビフカツやローストビーフがオススメです。ステーキや煮込み料理など、幅広いメニューに活用できます。女性やご高齢の方にも好まれる、あっさりとした味わいが魅力の部位です。

おいしい食べ方

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マル

マルは内股の下部に位置する部位で、赤身の中に美しい霜降りが入り、旨味が詰まっています。脂肪が少なく、きめはやや粗いものの柔らかく、均一な肉質が特徴です。丸い形をした赤身肉で、モモの中でも特にきめが細かく柔らかい部分です。ステーキや焼き肉に適しており、ローストビーフや大きな切り身の料理にも向いています。あっさりとしながらもしっかりとした味わいがあり、幅広い料理で楽しめます。

おいしい食べ方

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マルシン

マルシンは「シンタマの中心にある肉」として知られ、脂肪が少ない赤身肉にもかかわらず、非常に柔らかく滑らかな弾力を持つのが特徴です。サシが少ないため、あっさりとした味わいながら、しっかりとした旨味があります。クセがなく食べやすいため、ステーキや焼き肉などに最適です。柔らかい食感とヘルシーさを兼ね備えた部位で、多くの料理に利用できます。脂が多くないため、脂っこい肉が苦手な方にもおすすめです。

おいしい食べ方

hiuchi

ヒウチ

ヒウチは、牛の後脚のシンタマの上部、内モモの奥に位置する部位です。「火打石」の形に似ているため、この名が付けられました。モモ肉の中で最も霜降りが多く、柔らかくジューシーです。脂にコクがあり、丸みのある味わいと濃い旨味が特徴です。三角形の形をした赤身中心の部位で、霜降りが豊富に入り、柔らかく濃厚な味わいが楽しめます。肉質がきめ細かく、ステーキや焼き肉に最適な部位です。

おいしい食べ方

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ラム

ラムは牛肉の腰からお尻にかけての部位で、モモ肉の一種です。サーロインから繋がっているため、適度にサシが入り、モモ肉の中で最も柔らかい部位とされています。味は濃く深く、香り高いのが特徴。キメが細かく、やわらかさとジューシーさが際立つので、プロにも好まれる人気の赤身肉です。

おいしい食べ方

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ランプ

ランプは、サーロインに続く腰からお尻にかけての大きな赤身の部分で、モモ肉の一部で特に柔らかく旨味があります。サシ(霜降り)が入りにくい一方、肉のキメは細かく、肉質が柔らかくて旨味が強いのが特徴です。脂が少なく適度な噛み応えがあり、あっさりとした味わいで、脂っぽい肉が苦手な方にもおすすめの部位です。ランプは肉の旨味がしっかりと感じられる赤身肉です。

おいしい食べ方

ichibo

イチボ

イチボは、赤身肉のしっかりした旨味に加え、ほどよく霜降りが入った脂の甘みが楽しめる贅沢な部位です。香りには甘さやコクがあり、独特なキレのある香りも特徴です。牛1頭からわずかしか取れない希少な部位で、サシが入りやすくジューシーながらも赤身らしい噛みごたえと旨味があります。程よく脂がのり、強い甘味と柔らかさが特徴で、脂っこさがなく、赤身のような肉らしい食感と香りを同時に楽しめます。

おいしい食べ方

sotomomo

外モモ

 

外モモは、運動量が多いモモの部分で、赤身が多い部位です。肉質は全体的にきめが粗く、しっかりとした食感が特徴です。この部位は肉の旨味が非常に濃厚で、筋肉質なため肉の味がしっかりと感じられ、その強い風味が魅力です。後脚の外側部分の筋肉で、煮込み料理やスライスしてすき焼きや、しゃぶしゃぶで美味しくいただけます。

おいしい食べ方

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三角バラ

三角バラは、胸の肋骨周りを三角形に切り取った部位で、1頭から10キロほどしか取れない希少な部位です。整形過程で台形のような形になるため「台形」とも呼ばれます。柔らかい肉質にサシが多く入りやすく、脂の濃厚な甘みと強い風味が特徴です。まるでマグロの“大トロ”のように、きめ細かな霜降りが入っており、非常になめらかでとろけるような食感が楽しめます。網焼きで食べるのがおすすめで、上級カルビとして提供されることが多い人気の部位です。

おいしい食べ方

uchibara

ウチバラ

ウチバラはバラ肉の一部で、繊維質や筋膜が多く、きめが粗くやや硬めの赤身です。脂肪が層になっており、赤身の肉味と脂の旨味が堪能でき、濃厚な風味が特徴です。程よい弾力と肉汁が溢れるジューシーな肉質で、焼肉に最適です。薄切りにしてバラしゃぶにしたり、希少部位はステーキとしても楽しめます。並カルビより脂の甘みが強く、柔らかく濃厚な味わいが魅力です。

おいしい食べ方

kainomi

カイノミ

カイノミはバラ肉の一部ですが、背中側のヒレに近い部位です。そのため、赤身肉の旨味とジューシーなバラ肉の旨味が組み合わさった味わいが特徴です。
赤身と脂のバランスが良く、脂は上品な旨味でしつこさがありません。上品な味わいと優れた肉質から、脂を気にする人でも安心して楽しめる部位です。

おいしい食べ方

headbara

ヘッドバラ

ヘッドバラはきめ細かい霜降りが入りやすく、柔らかく濃厚な味わいが特徴の部位です。バラ肉の中でも高級とされ、上級カルビとして提供されることが多いです。
とろけるような食感と上質な脂身の美味しさが魅力で、霜降りの細かさと濃厚な旨味が際立ちます。脂がたっぷりと乗っているため、ジューシーでコクのある味わいが楽しめます。焼肉やバーベキューで、その風味と食感を存分に堪能できます。

おいしい食べ方

sotobara

ソトバラ

外バラは牛のお腹の下部に位置する部位で、脂肪が豊富で濃厚な旨味が特徴です。脂の甘味とコクが強く、焼肉やバーベキューに最適です。また、煮込むことで柔らかくなり、ビーフシチューやカレーにも向いています。ソトバラは風味豊かな部位で、赤身と脂肪のバランスが良く、さまざまな料理でその旨味を引き出すことができます。

おいしい食べ方

inside

インサイド

インサイドはハラミに近い部位で、「ウチハラミ」とも呼ばれます。脂が適度にのり、ジューシーで柔らかな食感が楽しめます。赤身の部分はサクッとした歯応えがあり、バラ肉ならではのコクと旨味が強いのが特徴です。繊維質でしっかりとした食感を持ち、ハラミに似た濃厚な味わいが楽しめます。バラ肉の脂の甘味と赤身の旨味が絶妙に調和しており、豊かな風味と食感が魅力の部位です。

おいしい食べ方

frank

フランク

フランクはきめが細かく引き締まった食感が特徴の赤身肉で、脂を適度に含み、くどさのない食べやすい部位です。お腹に近い外バラの一部で、口に入れるとバラ肉らしい濃厚な甘みとコクが広がります。柔らかくしっとりした食感で、脂の甘味や弾力がありますが、全体的にあっさりとしています。バラ肉と赤身肉の良いとこ取りで、繊細なサシが無数に入り、脂が多い割にあっさりと食べられると好評です。

おいしい食べ方

ude

ウデ

ウデ肉は赤身のうまみが強く、濃厚な味わいが特徴の部位です。適度なサシが入り、噛み締めると溢れる旨味が楽しめます。モモ肉と並ぶ人気の赤身部位で、比較的ヘルシーです。しっかりとした歯ごたえがあり、全体的にあっさりとしています。薄切りにしてすき焼きやしゃぶしゃぶにすると非常に美味しく、肉の味を堪能できます。旨味が凝縮されたウデ肉は、噛み締めるごとに美味しさが口いっぱいに広がります。

おいしい食べ方

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ミスジ

ミスジは柔らかく上品な味わいが特徴の部位です。赤身ながら細やかなサシが入り、旨味が強く、焼肉やステーキ用として人気があります。断面には真ん中に一本のすじがあるため見分けやすく、柔らかさとジューシーさのバランスが絶妙です。牛1頭から数kgしか取れない希少部位で、どの焼肉店でも扱っているわけではありません。火が入りすぎると硬くなるため、適度な焼き加減で調理するのがポイントです。

おいしい食べ方

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肩三角

肩三角は脂身が少ない赤身肉で、旨味が強く、脂身が少ないためしつこくないのが特徴です。ミスジに隣接した三角形の部位で、ウデの中では一番大きくメインの部分です。全体的に風味が良く赤身肉の旨味を楽しめます。柔らかい部分は焼肉用として、硬めな部分はスライスや煮込み料理に適しています。赤身にほどよくサシが入り、力強い味わいがありながらも食べやすい部位です。

おいしい食べ方

sune

すね肉

牛のすね肉は運動量が多く、筋肉が発達しているため非常に硬く、脂身がほとんど含まれていないのが特徴です。コラーゲンが豊富で、じっくり煮込むととろりと柔らかくなり旨味が引き立ちます。赤身の極みとも言えるすね肉は、筋繊維が太く、煮込めば煮込むほど柔らかくなるため、シチューやカレーに最適です。

おいしい食べ方

牛内蔵の部位

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小腸

小腸は牛の小腸の主に空腸にあたる部位で、成牛では約40mの長さと10kg以上の重さがあります。プリプリした弾力のある食感と甘い脂が特徴で、柔らかく食べやすいため、焼肉やもつ鍋の材料として人気があります。ホルモンの代名詞ともいわれ、関西では裂かないものを「マルチョウ」、裂いたものを「コテッチャン」と呼びます。串焼きやもつ煮にも使われ、噛むほどに旨味が広がる脂と皮部分の食感が魅力です。

おいしい食べ方

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大腸

大腸は太くて厚く、食感がかためですが、良質な脂がたっぷりついています。シマチョウとも呼ばれ、身の部分に美しい縞状の模様が特徴です。小腸より太くコシのある歯ごたえがあり、弾力のある噛み心地が魅力です。焼肉でも人気が高く、噛むほどに脂の甘味と濃厚な味わいが楽しめます。地方によっては「テッチャン」とも呼ばれ、プリプリな食感がやみつきになります。牛一頭から3〜5kgしか取れない希少部位です。

おいしい食べ方

giara

ギアラ

ギアラは牛の第四胃で、赤みがかった色をしているため赤センマイとも呼ばれます。適度に脂肪があり、コリコリとした食感と濃厚な旨味が特徴です。表面がなめらかで薄く、大きなひだがあるのが特徴です。ギアラという名前の由来には「米軍基地での報酬(ギャランティ)」説や「偽腹(ぎはら)」説があります。濃厚な旨味としっかりとした歯応えが楽しめ、噛む度に甘い脂が染み出すため、ホルモンとして人気があります。

おいしい食べ方

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ハツ

ハツは牛の心臓で、弾力性がありコリコリとした食感が楽しめます。脂肪が少なく、タンパク質やビタミンB群が豊富で、特にビタミンB1とB2が多く含まれています。筋繊維が細かく、臭みが少ないため、ホルモンが苦手な方でも食べやすい内臓部位です。肉厚で淡白な味わいが特徴で、焼肉用として塩コショウでいただくのがお勧めです。栄養価が高く、幅広い世代に人気があります。焼いても柔らかく歯切れが良い部位です。

おいしい食べ方

senmai

センマイ

センマイは牛の第三胃で、「千枚のひだ」があるように見えることから名付けられました。臭みが少なく、独特のコリコリとした食感が特徴で、脂質がほとんど含まれていないため低カロリーです。黒っぽい見た目で、ザラッとした舌触りとシコシコした歯ごたえがあります。焼肉やモツ鍋はもちろん、湯通しして酢の物としても美味しく楽しめます。あっさりとした味わいと歯ごたえが魅力の部位です。

おいしい食べ方

hathinosu

ハチノス

ハチノスは牛の第二胃で、胃の内壁が蜂の巣のように六角形のひだ状になっていることから名付けられました。未処理の状態では表面が黒く、磨くと白くなります。独特な風味と弾力のある歯ごたえが特徴で、あっさりとした味わいが楽しめます。イタリア語では「トリッパ」と呼ばれ、煮込み料理などによく使われます。4つある胃袋の中で最もおいしいともいわれ、コクのある味わいが人気です。独特の食感が楽しめる、ヘルシーな部位です。

おいしい食べ方

harami

ハラミ

ハラミは牛の横隔膜の腹側に位置する部位で、赤身肉に見えますが実は内臓です。柔らかく適度に脂肪があり、内臓特有のクセがないため、赤身肉のような食感と濃厚な旨味が楽しめます。脂身が少なくあっさりしていて、カロリーも控えめなので、ホルモンや脂っこい肉が苦手な方にも人気があります。焼き肉の定番部位で、柔らかさと風味の良さから多くの人に愛されています。

おいしい食べ方

tan

タン

タンは牛の舌の部位で、焼き肉やシチューによく使われます。「まずはタン塩から!」が決まり文句になっているという方も多いのではないでしょうか。弾力があり、脂肪分が多く濃厚な味わいが特徴です。タンパク質、鉄分、ビタミンB、タウリンを豊富に含み、スタミナ満点です。ヘルシーな印象があるものの、意外とカロリーは高めで、一頭から約1~1.5kgしか取れない希少部位です。

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